2024年01月25日
【第5回 Start Up 99】最終審査会まとめ/佐世保高専の近藤さん神代さんチームが大賞
お知らせ
2024年1月20日(土)に第5回西九州させぼ広域都市圏ビジネスプランコンテスト(Start Up 99)の最終審査会を開催しました。
49チーム組の中から書類審査を通った10チームが登壇し、渾身のプレゼンテーションを行いました。本記事ではコンテスト当日の様子や受賞したビジネスプランを紹介します。
学生が際立った今回のビジコン
第5回目となるStart Up 99は、49チームの中から選ばれた10チームが頂点を目指し、プレゼンテーションに挑みました。
Start Up99では「新規性、成長性、実現性が高い」「地域の強みを活かす」という2つの基準で審査を行います。最終選考に残った10チームはオリジナリティはもちろん、社会課題に取り組んだレベルの高いビジネスプランばかりでした。
例年通り、一般の部・学生の部・スタートアップチャレンジの部と3つに分かれて選考を行いましたが、最後まで残ったのはすべて高校生、大学生のチーム。選考委員の話では「社会人にも負けないビジネスプランだったため、結果的に学生のチームが選ばれた」とのことでした。
今回も開催趣旨に賛同いただいた協賛企業が多く、6つもの企業賞が設けられ、スタートアップや新たなビジネスに対する関心の高まりが感じられました。
大賞に選ばれたのは、佐世保工業高等専門学校の「2C 藤代(近藤沙妃さん・神代夏凛さん)」チームの「AIカメラを用いたフグの稚魚の判別~AIカメラ『発見!おしらすくん』」です。
大賞のお二人にはタイトル幕と30万の賞金が贈呈されました。また、2月23日に開催される長崎県主催のビジネスプランコンテスト「ミライ企業Nagasaki」のチャレンジ部門にお2人を推薦する運びとなりました。
お二人によると、今回の発表に向け、昨年秋に参加したものづくりコンテストでの発表をブラッシュアップし、AIカメラの精度も上げたとのこと。
大賞の選定として「社会課題を捉え、テクノロジーを使ってソリューションを提供している」点があげられました。
審査委員長の岸原稔泰氏(一般社団法人Startup GoGo代表理事)は総評として「今回の出場者はレベルが高かった。それに加え、学生や女性がここまで多いビジコンはほかに見たことがない。テクノロジーによるソリューションとソーシャルなソリューションと、バランスよくプランが出ている。起業されている方もいるので地域のみなさんで支えていただきたい。コミュニティの中で連携を取り、地域経済を前に進めていってほしい」と激励されました。
会場内はご家族や学校関係者の応援もあり、温かい雰囲気。審査を待つ時間や大会後は交流会も行われ、発表者や参加者とのつながりも活発に行われました。
発表者からは次のような感想がありました。
- とても緊張したが全力を出しきれてよかった
- 現場のニーズがあったのでプランを実現していきたい
- また次回も出場したい
- 自分のプランを実現して自分の子ども世代にも使ってもらいたい
- チームで準備をする上でもさまざまな学びがあった
- 質問から新たな課題が見つかってよかった
- プレゼンの力がついたので就職したら活かしていきたい
- 自分の成長のきっかけになった
受賞したビジネスプランの紹介
【本選】
〇大賞
AIカメラを用いたフグの稚魚の判別~AIカメラ『発見!おしらすくん』
近藤沙妃・神代夏凜(佐世保工業高等専門学校 2C 藤代)
AIカメラを用いて、しらすに混入するフグの稚魚を判別するビジネスプラン。しらすを漁獲した際に混獲される生き物の中で、特に毒性のあるフグの稚魚が混入することのリスクに注目。瞬時にフグの稚魚を判別できるAIカメラを開発した。加工業者の損失を減らし、作業の効率化、時間短縮を実現する。
《コメント》
審査に携わってくださった企業の皆様、協力してくれた他学科の先輩や先生に感謝申し上げます。2年生のうちにこのような賞をいただけたことを大変光栄に思います。
このプランが1人でも刺さったらいいと思って作ったので、評価してくださりとても嬉しいです。帰ったらお母さんにしらす丼を作ってあげたいです。
《審査員から》
テクノロジーを使っているというのもあるが、課題をしっかり捉え、それに対する解決策を提供しているのが素晴らしかった。とくに今回は、より強いペインであるバーニングニーズ(火急の悩み)に当てはまっているソリューションだと感じた。
〇準大賞
IJITSUレベルアップチャレンジ
大串 理加(伊万里実業高等学校)
再編統合により遊休農地となった高校の土地を使い、体験型教育サービスや地元農家・企業との共同事業を計画。子どもの野菜不足や高齢化によるまちの衰退といった課題に対し、高校生が専門性を活かし、健康的な生活や、住み続けられるまちづくりを目指す。
《コメント》
みなさまありがとうございました。春からは地元の大学に進学します。外部のサポーターとして事業も私自身も飛躍していきたいと思います。
《審査員から》
しっかり固まったビジネスアイデアで、まるでコンサルタントが作ったようなプレゼン資料だった。実証フィールドもあるので確実に進めていっていただきたい。大学に進むのもいいですがぜひ社長になってほしい。
〇準大賞
佐世保を中心とした長崎和牛の海外展開
井之上 陽香(長崎県立大学)
長崎和牛の販売を海外展開するためのビジネスプラン。和牛の国内の消費量が低下し、価格が減少している課題に注目。海外、特にタイ・ベトナムへ輸出し外貨を取得し、農家に安定した収入が得られるよう仲介者として和牛を広める。
《コメント》
このような会を設けてくださりありがとうございます。今後は食肉加工業者や農家の方とさまざまな協力をし、長崎和牛の海外への販路拡大を推し進めていきたいと思います。
《審査員から》
優秀な農産物を海外輸出することに国が力をいれているので、とてもタイムリーだと思いました。地元愛満載で素敵な発表でした。今後ますますの活躍を期待しています。
〇チャレンジ賞
Saful 〜Safeをfullにサポートする〜
岡 尚輝(佐世保工業高等専門学校)
サーモグラフィー、ボディトラッキングを搭載したAIカメラによる見守り機能。人手不足の医療現場や介護現場に設置することを想定し、患者や施設利用者の異常を自動で感知し即時に職員に報告できるシステム。夜間でも見守りが可能で、最大500時間の労働削減が実現する。
《コメント》
審査していただいた方に感謝申し上げます。悔しい思いもありがなら嬉しくもあり複雑な気持ちです。評価をいただいたので次に向かって頑張っていこうと思います。
《審査員から》
素晴らしいアイデア。すでに会社を立ち上げていらっしゃるとのことで、ますます期待しています。頑張ってください。
〇次世代起業家賞
「障がい者アートによる新たな価値」-地域に根差したソーシャルビジネスを-
古川 友稀(長崎県立大学起業サークルFIRPEN)
障がい者が描く個性あふれるアートを企業にレンタルするサービス。社内に絵画を導入することで生産性の向上、ブランディング形成に貢献する。障がい者の4人に1人が貧困層で、今後障がい者が増える社会課題に対し、やりがいや貧困の解決を目指す。
《コメント》
貴重な場を設けてくださった実行委員のみなさま、関係者のみなさま、誠にありがとうございます。これからが始まりだと思っていますので今後ともご縁のほどよろしくお願いします。
《審査員から》
非常に期待できるビジネスプランでした。取り組まれていることは社会貢献なので、海外の投資家からも求められるニーズだと思う。まだ課題はあるかと思いますが頑張っていただきたい。
【企業賞】
〇株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ賞
AIカメラを用いたフグの稚魚の判別~AIカメラ『発見!おしらすくん』
近藤沙妃・神代夏凜(佐世保工業高等専門学校 2C 藤代)
〇株式会社エミネントスラックス賞
「障がい者アートによる新たな価値」-地域に根差したソーシャルビジネスを-
古川 友稀(長崎県立大学起業サークルFIRPEN)
〇西海みずき信用組合賞
IJITSUレベルアップチャレンジ
大串 理加(伊万里実業高等学校)
〇トラストパーク株式会社賞
IJITSUレベルアップチャレンジ
大串 理加(伊万里実業高等学校)
〇パーソナルワークスデザイン株式会社賞
「障がい者アートによる新たな価値」-地域に根差したソーシャルビジネスを-
古川 友稀(長崎県立大学起業サークルFIRPEN)
〇GEUDA(一社)&WEBLIFE賞
「障がい者アートによる新たな価値」-地域に根差したソーシャルビジネスを-
古川 友稀(長崎県立大学起業サークルFIRPEN)